Nikon 一眼レフ系のピクチャーコントロール
D810 以降に発売されたカメラには[スタンダード][フラット][ニュートラル][ビビッド][モノクローム][ポートレート][風景]の7 種類のピクチャーコントロールを搭載している。
「こんな風に撮りたい」という表現意図が明確になったら、それに近いピクチャーコントロールを選んでおくことが重要だ。RAW 調整のフローに慣れていると、撮影後の調整がいくらでも可能なためあまり気にしない人が多いが、動画の併用を考えると極めて重要だ。さらに、それぞれのピクチャーコントロールはカスタマイズが可能だ。微調整を加え、自分のイメージどおりに仕上げていこう。
スタンダード:シーンを選ばずオールマイティに使える
被写体の輪郭の強さ、コントラスト、明るさ、色の濃さ、色合いなどがバランスよく調整された標準的な画づくり。さまざまなシーンで多くの方が好ましいと感じる仕上がりになる。
ニュートラル:見た目に近く自然な雰囲気で撮れる
被写体の豊かな階調や自然な色合いを再現できる。[スタンダード]より控えめな演出で、被写体の色合いや階調を忠実に再現する。撮影したままでもしっとりした優しい雰囲気の画づくりとなっている。
ビビッド:派手なイメージでインパクトがある被写体の輪郭やコントラストが強調された、メリハリのある、いきいきとした色鮮やかな画像になる。地味な色合いの被写体を鮮やかに見せたいときにも適している。
モノクローム
白黒やセピアなど、単色の濃淡で表現した画像になる。
ポートレート、街並み、風景などの被写体をより印象的に表現する、モノクロ撮影の面白さを堪能できる
ポートレート
人物の肌を滑らかな階調で透明感高く描写する。人肌以外の部分は[スタンダード]に近い描写を行うが、全体的にやわらかい印象の仕上がりになる。人物撮影だけでなく、表現意図に合わせて、風景や建物などさまざまな被写体をやわらかなトーンに仕上げることができる。
風景:深みのある色で見ごたえのある再現
主に空の青さや、草木の緑のある自然風景を深みのある鮮やかさで表現したいときや、街並みを含む多様な景観を質感高く表現したいときに適している。仕上がりは、やや硬調な印象。表現意図によって、人物などさまざまな被写体に使用できる。
フラット:情報量豊富で調整・加工の素材に最適
※は演出を最低限に抑えた素材性重視のピクチャーコントロールだ。仕上がりは[ニュートラル]よりもさらにコントラストが低く、そのままでは全体にメリハリがない印象。しかし、撮影後に調整・加工を加えても、白とびや黒つぶれ、色飽和が起こりにくく、明暗、色ともに階調性豊かに表現できる。ハイライトからシャドーまで豊富な情報を持っているので、撮影後の画像調整を前提として撮影する方にもおすすめ。
このモードをさらにカスタマイズすれば、かなりLog モードに近づいた撮影素材が得られそうだ。