ポジフィルムのデジタル化
クライアントから過去の広告に使用した膨大な数のポジフィルのデータ化を依頼されました 今回はしようしなくなったスキャナの代わりに、大型のテクニカルカメラを改造して、ポジフィルが精密に複写できる装置を作ってみました
今日はポジフィルムの複写作業を見ていこうと思います
4×5インチのテクニカルカメラはさまざまな組み合わせと精巧なムーブメントにより、あらゆる撮影に対応出来るようになっています
今回はまず、本来使用するフィルムの代わりに一眼レフカメラを取り付け、被写体ポジの位置や大きさによってさまざまに調整できるよう確認します
続いて複写するポジフィルムをスムーズに固定するマウント枠を自作します
4×5、6×7などポジフィルムの大きさに対応するマウントを用意しますが、フィルムを傷めず交換がスムーズに行えるよう、またフィルムの平滑性や位置の正確性も重要で、何度も試作をくり返しました
複写するカメラの画素数は3600万画素です
4×5インチの大判フィルムが持っている情報量を切り捨てることなく、デジタルデータに移行することが出来ました
今回はデジタルでの複写でしたが、実はこうした複写作業は30年近く前のアナログ時代から得意にしていた分野です
今回のような精密な複写をデュープといいますが、一般的な撮影に比べ調子が硬くなりがちなこの作業を、調子の柔らかいデュープ専用フィルムを使って行っていました
単にフィルムを複製するだけでなく、大型カメラの自在に動く機構を駆使して、画像を変形させたり(パース補正やデフォルメ…)、デジタル化以前は難しかった特殊写真を売りにしていたのです
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