ピクチャースタイルとブラックガンマ

はじめに：ピクチャープロファイルを理解する
映像の特性を大きく左右する要素として、ガンマカーブとニーポイント、ニースロープがある。これらを理解することで、ピクチャープロファイルを効率的に使うことができるようになる。

αシリーズのピクチャープロファイルの詳細設定

ブラックガンマ

項目 設定値
ブラックレベル –15 ～ +15

映像の演出効果として、黒をつぶして硬い印象の映像にしたり、逆に黒を浮かせてソフトな印象の映像にしたりすることができる。マイナスにすると黒がつぶれ、プラスにすると黒が浮き上がってしまう。
古いフィルムを表現するときや冬の朝靄を表現するようなときはプラスに調整する。マイナスに調整すると暗部階調が切り捨てられ、ハイコントラストな映像になる。

また、複数台のカメラを固定して同じ被写体を別のアングルから撮影すると、被写体とその背景のバランスが各カメラによって異なる。映像を別のカメラに切り換えると、そのバランスの違いによって被写体の黒色が異なって見えることがある。これは目の錯覚によるものでもあるが、このような場合は、主としてブラックレベルを調整して黒が同じ色に見えるように調整する。

範囲：低 / 中 / 高
ブラックガンマが効く明るさの範囲を調整する。［低］だと黒ぎりぎりの部分、［高］だと灰色まで作用する。暗部の質感を調整するときは低めに、全体のトーンを調整するときは高めにする。まずは［低］から調整してみると良いだろう。

ブラックガンマ （+7）

ブラックガンマ （0）

ブラックガンマ （－ 7）

レベル：–7 ～ +7
プラスにすると明るくなり、マイナスにすると暗くなる。たとえば、範囲を［低］にしてレベルを下げると、フィルムのような暗部表現をすることができる。静止画レタッチソフトのブラックレベルの調整と違い、明暗調整が柔らかに表現されるのが特徴だ。